二章

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谺響する銃声音。 もうこんなのに慣れてしまった。 慣れは恐ろしい。はは、俺にも宮間以外にあったんだな。 暗殺に慣れるなんて、あってはいけないだろ。 「…………ッ」 未だに治まらない手の震え。 なのに、人を殺めることに抵抗なくなった現実。 日に日におかしくなるのがわかる。 俺は、数週間前数ヶ月前まで医師として普通に働いていたのに。 それがなんでココにいる? どうして、こんなことになった。 ……医師として、やってはいけないこと。 俺にとって、それは殺めることだ。目の前に患者がいたら、なにがなんでも助けてやりたいと願ってた。 なのに、今は暗殺組織の一員。 昨日までなんともなかった平穏な日々がここにきてアッサリと崩れ去った。
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