二章

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昔のことは忘れよう。 静かに息を吐けば車に向かう。 見た目は冷静なのに、中身はそうじゃない。 車に戻れば、遅いという声。 はは、五分って言ったくせに。 「そんな遅くなるなんて何かあったの、先生?」 「何も?」 「ならいいんだけど。先生、こっちに来てから心ここに在らずなんだもん」 「そうか?」 そんなことは、あるかもな。 何がそんなに怖いんだろうか、俺は。仕打ちか? それともなんだ。
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