三章

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「合同チームで組んでもらう」 「は、」 戻って早々、なんつったコイツ。 「一緒に行くのは月雲(つくも)だ」 「あ゛?」 あの、クソ男……。反吐が出る。 「さっさと乗れ」 「チッ、人数は減らしていいんだろ?」 「好きにしろ」 さて、どうしたものか。 朝兎は置いていくとして、新人は……いやダメだ。あんなヤツいたところで足で纏いになるだけだろ。恭介は……まだ気力はありそうか? 問題は、和紗だな。置いていくか? 「先生、僕なら大丈夫だよ」 「本当に? お前、無理してないか。妹や弟のためなら残ってろ」 「……足で纏いになるのはわかってる。でも僕は誰かの役に立ちたい……こんな僕でも」 「わかった。余力があるヤツは。朝兎は休んでな。そこのお前らは戦力にならねぇから今すぐ俺の前から消えろ」 珍しく電池が切れないな、猫。 「真咲、その腕でどこ行くの」 「殺るに決まってんでしょ。どっかの青髪の暴走止めなきゃいけないんだから」 「……だってよ。どうする、」 俺の言葉に木崎は顔を歪める。 「グッ……わかったよ……!! その気色悪い呼び方で僕を呼ぶな!!」 さて、と。 「お前は?」 「きょーちゃん眠くないお」 「違う。そんなことは聞いてねぇ」 「……にゃ? きょーちゃんいちゃ、ダメ?」 俺が悪かったよ。その悲しげな目で俺を見るな。
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