一章

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「おーもーいー……。なんで僕がこんなこと」 「それ、引き取る」 「ありがとう、リーダー」 「電池切れか……」 所属するチーム月詠(つきよみ)は、全部で十人。 リーダーは、俺……七風(ななかぜ) 恭平(きょうへい)。 ちなみに、ターゲットは組織が決めレベルに合わせて報酬が発生する。 無論、低いヤツほど報酬は少ない。それをチーム全員で割り当て組織内で使う資金として扱われる。 チームプレーが肝心なことだ。 それにより得られるものも変わる。 殺るか殺られるか。 選択肢は、二つに一つ。 遂行出来なきゃ、その先に待っているのは“死”のみ。 絶望の淵に叩きつけられた俺たちはこの組織から逃れられない。 「アレ、ワザとでしょ。嫌なヤツ」  ・・・・・ 「ついてやれと言ったんだ。お前なら殺りかねないだろ」 「最初から知ってて、そういうことしたんでしょ。悪魔」 「悪魔とは失礼だな」 誰かが殺らなきゃ誰かが殺られる。 「悪魔先生」 「お前仮にも自分の主治医にそういうこと言うか?」 「まんざらでもないクセに」 そうかもなと返して、車に乗り込む。 「ピッタリだね。悪魔。これから悪魔って呼んだら振り向いてくれる?」 「悪い顔だ」 「元からだよ」 朗報だと紙を渡され、口に懐中電灯を咥え紙を照らす。 「コレが最後の一人? でも何で今さら?」 「……どう思う」 「僕は受け入れないからね」 「……だろうな」 懐中電灯を消して、紙を丸めてそこら辺に投げつけた。 ほぼほぼ纏まってるのに、今さらチームに加えるだと? ふざけんな。
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