一章

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「で、誰だテメェは」 「他人(ひと)に名前聞く前に自分から名乗れや」 戻って来ると当たり前のように隅に座ってた女を見て、頬杖しながら言うと腹立つ言い方で返って来た。 得意ではない関西弁。 俺が言い返す前に、アイツらがキレた。 黙ってるほどヤワじゃねぇもんな。 「えらっそーに。引き篭もってたクセによく言うねえ。アンタが引き篭もってた時間、僕たちがどれほど殺ったと思う? こっちのほうが引き篭もりより、ずーっと労力あるから」 「引き篭もったとこで、報酬なんて発生しないしね。キミが今日までどうしてたのか知らないけどさ? リーダー話しかけるまで、一言も発さないなんて……。気がついてたなら、何か言えば?」 息を軽く吐くと、二人を宥めた。 「まあ落ち着け。コイツ、俺たちのことは何一つ知らなかったんだよ。引き篭もってたんだしな。初合わせしたのは今日なんだ」 「リーダー……甘いよ」 「俺が嫌いなのは関西弁の女だよ。話はついたろ。改めて自己紹介する。けど、馴れ合いはしない。お前とはな」
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