2#置いてけぼりの犬

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「ん?!」  外が薄暗くなって暫くして、また犬のどんは目を覚まして辺りを見回した。  「変に静かだ・・・・・・?  家は今、明かりがついて家の中で御主人様と家族がワイワイと一家団欒してるはずなんだけど・・・?」  家の玄関は真っ暗。  隙間から漂う美味しい料理の匂いもしない。  「え?おいらの家族、どうしたんだよ?!」  ぐるるるる・・・きゅるるるる・・・  「お腹すいたな・・・    今頃、パパがおいらの皿に美味しいドッグフードをいっぱい入れてくれるのに、  皿は空っぽ・・・  本当にどうしたんだろ・・・」  どんは、鼻を突き出して家の辺りをクンカクンカと匂いを嗅いだ。  クンカクンカクンカクンカクンカ・・・  「おかしいなぁ・・・家族のどの体臭の匂いもしない・・・」   犬のどんは考えた。  「ああ、解った!!みーーんな家族旅行に行ったんだ。  おいらを留守番に。  しかし、なら何で皿にドッグフードを置いていかないんだろ・・・  あーーー・・・お腹すいた・・・」    やがて、1日経ち、2日経ち、3、4、5・・・  家族を待ち続けて遂に1ヶ月経ってしまった。  「腹減った〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!  御主人様!!早く帰ってきてくれ〜〜〜〜〜!!  ばうっ・・・ばうっ・・・ばうっ・・・ばうっ・・・」  犬のどんの吠え声も空腹で声がかすれ、力尽きて直ぐに倒れてしまった。    「もしかしたら・・・」   犬のどんは遂に気づいてしまった、  「もしかしたら・・・おいら・・・」
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