743人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
気付くとカイルはさくらの元へ駆け寄り、彼女を強く抱き締めていた。
さくらもカイルにしがみつく。
そして、さくらは声を上げて泣き始めた。
その声はとても切なく儚げだった。
さくらを抱き締めるカイルの瞳も、涙で潤んでいた。
(何て事だ! 僕はなんて馬鹿な事をしたんだ!)
その時カイルは自分の行いを悔やんだ。
なぜ自分はもっと早く日本に来なかったのかと...。
その場にいたスタッフ達は、
カイルが何者なのかがすぐに分かったようだ。
なぜなら、海里とカイルがそっくりだったからだ。
明らかに誰が見ても分かるだろう。
しかし海里だけは不思議な顔をしたまま母親を見つめている。
そこで、女性スタッフが海里にそっと耳打ちした。
「あの人はきっとあなたのパパよ!」
女性スタッフはそう言って海里にニッコリとウインクをした。
最初のコメントを投稿しよう!