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前置きを読み終わり、私はこれから始まる物語に
息巻き胸を高鳴らせた。画面が暗転し、リロードが終わるのを待っていると…
画面に水を打った様な波紋が広がり、表示されて
いた美麗な絵がぐにゃぐにゃと歪み始めた。
バグだろうか。それとも故障?と思った次の
瞬間、好青年の顔や手がみるみる立体化し画面
から飛び出して来る。
ぬるっとした調子で出て来た彼は、咄嗟に仰け
反った希海の手を取りにっこりと微笑んだ。
『お待ちしていました、さぁ行きましょう。
勇者様。』
「え?ちょ、ちょっと待っ_」
有無を言わさぬ調子でぐいぐいと引き込まれ、
私は画面の向こうへ…ゲームの世界へ引き摺り
込まれてしまうのだった。
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