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「あぁ、これですか。この線は」
アイダは話し掛けて来た希海の顔を一瞥すると、眉間にシワを寄せ深刻な表情で言った。
「亡くなられた勇者様のお名前、だからです。」
希海は「えっ」と呟いたきり、口をつぐんだ。
勇者になった人間は、死と隣合わせになる程
過酷な冒険を強いられるのだろうか。
もしかするとゲーム内での死は、現実世界での
死と同義なのかもしれない。
「そ、そんなの理解出来ません!ここから出る方法は…解決方法は無いんですか?」
ぐっと顔を近付け、鬼気迫る勢いでまくし立て
口角泡を飛ばす希海にアイダは降参のポーズで
気圧された。
「お、落ち着いて下さい希海さん。解決方法は
一つだけあります。それは_」
「それは?」
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