2人が本棚に入れています
本棚に追加
その為、この国は人口減少と共に衰退の一途を
辿るのみ。ですが私は、住人達はこの国を愛しています。希海さんも、この国を自分の生まれ故郷に置き換えてみて下さい。このまま何もせず滅んでいくのは耐え難いと思いませんか?」
「え、ええ。」
突然話の矛先を向けられた希海は、現実味の
無い頭で頷いた。
人の数だけ悩みがあると言うけれど、現世も
ゲームの世界も変わらないんだな。
「さて、私は役目を終えたので一先ず失礼致し
ます。」
「え?ちょ、ちょっと…!」
パチン、と軽快に指を鳴らすとアイダの姿はたちまち金色の粒子に包まれ消えてしまった。唯で
さえ無一文で右も左も行方不明だと言うのに、
これから先一人で生きていけと言うのだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!