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そう言い、軽快に指を鳴らすと眩い金色の粒子に
包まれ馬ごと姿を消してしまった。
普通なら有り得ないが、ここはゲームの世界。
二度目の洗礼を受けた希海は、ゴシゴシと瞼を
擦るとオペラが舵を切るボートに乗り込んだ。
「昔世話になった村長から、言伝を預かっていた
んだ。」
「これから向かう村は、殆ど雨が降らない事でも有名なんです。」
村を荒らされた上に、作物も育ちにくいなんて。
顔をしかめる希海に、カイトが珍しく口を
挟んだ。
「無駄な情と宵越しの金は、旅の邪魔になる。
俺の人生の教訓だ。」
気を揉んでいる希海を気遣い、励ましている
つもりかもしれないが彼女には嫌味に聞こえて
しまった。
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