2人が本棚に入れています
本棚に追加
やっぱり私、カイトとは気が合わない。ボートの
へりに頬杖をついた希海は、交代の時間が来る
まで拗ねていた。
*
「勇者様だ!勇者様が、助けに来て下さったぞ!」
「馬がおりましたので、まさかとは思っていま
したが…有難うございます!」
村に到着した勇者一行は、村人達に囲まれ手厚い
歓迎を受けた。アイダに預けた馬は岬にある杭に
ロープで繋がれ、地面に生えた草を食んでいた。
改めて村を見渡した希海は、想像を越える惨状に
眉をひそめる。
干からびた田畑は砂漠同然、かつて住人が棲家に
していた小屋は荒れ、派手に改造されている。
最初のコメントを投稿しよう!