本編

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やっぱり私、カイトとは気が合わない。ボートの へりに頬杖をついた希海は、交代の時間が来る まで拗ねていた。 *   「勇者様だ!勇者様が、助けに来て下さったぞ!」 「馬がおりましたので、まさかとは思っていま したが…有難うございます!」 村に到着した勇者一行は、村人達に囲まれ手厚い 歓迎を受けた。アイダに預けた馬は岬にある杭に ロープで繋がれ、地面に生えた草を食んでいた。 改めて村を見渡した希海は、想像を越える惨状に 眉をひそめる。 干からびた田畑は砂漠同然、かつて住人が棲家に していた小屋は荒れ、派手に改造されている。
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