2人が本棚に入れています
本棚に追加
仮に悲鳴を上げたとしても、村人達を避難誘導
しているオペラとギンジに自分の声が届くとは
思えない。それ所か、余計なパニックを招いて
迷惑になってしまうだろう。
そんな希海の内情を察してか、憮然としていた
カイトが突然希海の肩を抱いた。
「大丈夫、全部俺に委ねろ。」
鼓膜を震わせる、低く優しい声色に張り詰めて
いた気持ちが弛緩してしまいそうになる。
次の瞬間。希海の体はカイトの手によって頭上
より高く抱き上げられた。
「私、高い所苦手なの!下ろして!」
小さな悲鳴を上げ、足をバタつかせる希海。
「なっ…イチャついてんじゃねぇぞ!」
最初のコメントを投稿しよう!