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じゃあ私は、雅人さんに何を求めていたんだ
ろう。養ってくれるお金?それとも居場所?
こんな時でも同じ布団で寝なければならないの
だから、夫婦とはつくづく難儀である。
*
「早速だけど、明日から働ける?」
履歴書にざっと目を通し、簡単な質問のみで
通った面接に、希海は自分も相手も疑った。
しかしこれで仕事が手に入るなら、願ったり
叶ったりである。
アルバイトの高校生に会計や品出しを教えて
貰い、希海は仕事と家事の両立で忙しくも充実
した毎日を謳歌した。
そんな毎日に早くも暗雲が立ち込めるとは、露
知らずに…。
ある日、勤務を終えバックヤードへ戻ると数人の
先輩パートが談笑していた。
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