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年齢は外見から予測して四十代から六十代と
思われる。
「後藤さん」
ロッカーに脱いだ制服をしまっていると、不意に
その内の一人から声を掛けられた。「はい」と返事をして振り向いた希海に、六十代程のパートは
投げ掛けた。
「後藤さんって、子供は居るの?」
ほぼ初対面にも関わらず踏み込んだ質問をする
彼女に、希海は若干気圧されてしまう。
「いえ、ウチは子供はいらないかなって…。」
ロッカーの扉を閉じながら、希海の脳内では昨夜
雅人に言われた言葉がこだました。
そんな希海の思いなど勝手知ったる様子で、彼女の質問を皮切りに、好奇の視線を向けていた残りの二人も饒舌になった。
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