4.僕の世界の中心は

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にっこりと笑ってみせた。 他に理由なんて、あるわけなかった。 こんな単純なこと……なんでまいさんには解らないんだろう。 「あんたって……」 言ったきり、絶句するまいさん。 困ったな、こんな言葉が聞きたかったわけじゃないのかな? まいさんは思いだしたように、食事に戻った。 釈然としない様子のまいさんに、僕は口を開く。 「ねぇ……まさかとは思うけど……。まいさん、僕が浮気してるとか、思ってたり……する?」 探るように、まいさんを見つめる。 一瞬だけ動きを止めて僕を見返したまいさんは、気まずそうな表情で僕から視線をそらした。 「───だって、あんた、すっごくモテそうだし。なんか……そういう誘惑多そうじゃない。 あ、だからって別に、あんたが学校でエッチしまくってるんじゃないかとか、そんなこと思ったんじゃないから……って! もうっ……、私、なに言ってるんだろう……。 ───あーっ、ゴメン! いまの話、全部忘れて!」 まいさんの言葉は支離滅裂で。とうてい、論理的とは言い難くて。 なのに、僕にはまいさんが、 「本当は何を一番に伝えたいのか」 が、解ってしまった。 ……僕の脳内にある『まいさん語翻訳機能』は、とてつもなく優れているようだ。 ……なんだか少し、胸のあたりがくすぐったいな。 「……忘れないよ。それって、ひょっとしなくても……まいさんのヤキモチからくる言葉でしょう?」
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