4.僕の世界の中心は

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「まいさんに語る想いなら、何千何万っていう言葉を尽くすよ。 ……もっとも、僕の数少ないボキャブラリーじゃ、語り尽くせやしないけどね」 瞬間、まいさんの身体が傾いて、やわらかな唇が僕の唇に押しあてられた。 ……まいさんの体温は、なんでこんなに優しいんだろう? 「……いつもアホみたいに語りすぎなのよ、あんたは。言葉も、身体も」 あきれたような物言いなのに、まいさんから向けられる眼差しは、僕を溶かしてしまいそうに、甘い。 だから僕は、いたずらっぽく笑ってみせた。 「じゃあ今度は、身体で語ろうか? まいさん、今夜は眠れないけど、いい?」 握った指先にキスをすると、乱暴に手が振り払われた。 「いいわけないでしょ、バカッ」 「───あれ? いまのまいさんの言葉って、どう考えてもお誘い系だったのに……違うの?」 「どういう変換の仕方してんのよ! あんたの脳みそはっ」 ……透さんだけでなく、まいさんからも突っ込まれた僕の脳は、まいさんへの愛情で、できているんだけど。 それはまた、違う機会に語らせてもらおうかな。
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