10.僕の終わらない夢

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まいさんと一緒にぬくぬくとひざ掛けにくるまっていたはずの僕の背筋が、一瞬にして凍りそうなくらいの冷たく低い声が、まいさんから放たれる。 ───えぇっと。 そういえば、まいさんにサヤちゃんのことはもちろん、透さんのことも話したことなかったっけ……。 実は、透さんのほうからは、 「一回、オネーサンに会わせろや。オレからお前のこと、くれぐれもヨロシクって言っといてやるから。 な?」 とかって、しつこく電話で言われてるんだけど。 透さんの「くれぐれもヨロシク」は、なんだか嫌な予感がして。 まいさんが透さんから『おかしなヨロシク』をされたらと思うと、うかつに紹介なんて、できやしなかった。 「えっと、サヤちゃんは………………幼なじみ?」 「───はあ?」 サヤちゃんは、どうしても透さんとセットで僕のなかに存在していて。 サヤちゃんのことを考えると、透さんまで思い返されて……むしろ透さんのほうが、主張されてきてしまって。 僕は、サヤちゃんと僕の関係性を、透さん抜きで考えられないことに改めて気づかされた。 ───だから疑問形で答えてしまったのだけど、まいさんが放つ不快オーラを、ますます濃いものにしてしまった。 ……失敗した。
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