10.僕の終わらない夢

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「だから僕は、本当はまいさんが『イイ』と思う世の中のすべての男性を、まいさんの視界に入れたくないくらい、まいさんを独り占めしたいんだよ? でも、そんなの……なんか、カッコ悪いじゃないか。 それでやせ我慢して、平気なふりしているだけなんだ。 ……こうやって、まいさんが『彼』に夢中になってる横で、ココアを飲みながらね。 ───こんなことを言うのも、本当は、すごく格好つかないし、嫌だけど……でも」 まいさんの頬にかかった髪を指で()いて、あらわになった頬に、自分の頬を寄せた。 ……僕より体温が高いまいさんはいつもやわらかくて、あたたかい───まいさんの魂そのものを、表すかのように。 「『僕の大好きなまいさん』を、まいさん自身がけなすのは、僕のちっぽけなプライドなんかどうでもいいくらい、(ゆる)せないことだから。 そんな風に自分をおとしめるようなことは、二度と言わないでほしいな。 ───まいさんが、誰よりも素敵で優しくて心が広い女性だってことは、僕が一番、解っているんだから。 僕の、お墨付きだよ?」 ふふっと笑うと、まいさんが鼻をすすってるのが分かった。 身動(みじろ)いだまいさんの両腕が、僕の首の後ろにまわされる。 「大地……好き………大好き」 かすれた声が甘く告げて、僕の心と身体を優しくしめつける。 幸せな溜息をつきながら、まいさんを抱きしめ返した。
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