63人が本棚に入れています
本棚に追加
「だから僕は、本当はまいさんが『イイ』と思う世の中のすべての男性を、まいさんの視界に入れたくないくらい、まいさんを独り占めしたいんだよ?
でも、そんなの……なんか、カッコ悪いじゃないか。
それでやせ我慢して、平気なふりしているだけなんだ。
……こうやって、まいさんが『彼』に夢中になってる横で、ココアを飲みながらね。
───こんなことを言うのも、本当は、すごく格好つかないし、嫌だけど……でも」
まいさんの頬にかかった髪を指で梳いて、あらわになった頬に、自分の頬を寄せた。
……僕より体温が高いまいさんはいつもやわらかくて、あたたかい───まいさんの魂そのものを、表すかのように。
「『僕の大好きなまいさん』を、まいさん自身がけなすのは、僕のちっぽけなプライドなんかどうでもいいくらい、赦せないことだから。
そんな風に自分をおとしめるようなことは、二度と言わないでほしいな。
───まいさんが、誰よりも素敵で優しくて心が広い女性だってことは、僕が一番、解っているんだから。
僕の、お墨付きだよ?」
ふふっと笑うと、まいさんが鼻をすすってるのが分かった。
身動いだまいさんの両腕が、僕の首の後ろにまわされる。
「大地……好き………大好き」
かすれた声が甘く告げて、僕の心と身体を優しくしめつける。
幸せな溜息をつきながら、まいさんを抱きしめ返した。
最初のコメントを投稿しよう!