10.僕の終わらない夢

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音を立てて、その頬にキスをして、僕は車から降りた。 窓から顔をわずかに出して、まいさんが僕に声をかけてくる。 「行ってらっしゃい、大地。 ……あ、そうだ。今晩、なにが食べたい?」 校門に向かいながら、僕は笑って、まいさんを振り返った。 「いやだなぁ。そんなの、決まってるじゃないか。 まいさん、だよ!」 大きな声で答える僕に、まいさんが大慌てで、辺りを見回して。 誰もいないのを確認すると、僕に向かって「バカッ」と叫んだ。 ───うん、解ってるよ、まいさん。 いつもの、『愛してる』って、意味だよね?          ❖おわり❖
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