2.僕の日常

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まいさんの「バカ」には、いろんな愛情のカタチが含まれているんだってこと。 その表情が、そのしぐさが、その抑揚が、すべてを如実に語ってくれてるんだってこと。 いくら説明しても、透さんには解ってもらえないようだった。 「迷惑なら迷惑だって、言ってるわよ、とっくに。 あんたに対して、なんでそんなつまんない遠慮しなきゃなんないのよ、私が」 まいさんの答えはいつも明快で、僕を安心させる。 血のつながりがなくても、こんなにも僕という存在を受け入れていると、証明してくれるんだ。 「ってかね~」 意識の半分以上が『幸せ実感中』だったせいで、まいさんのしかめっ面が微妙に変化して、ふてくされたように視線をそらしたのに、ワンテンポずれて、気づく。 「……必要ないって言われても来るからね? とか、最初に言いやがったのは、あんたじゃないのよ。何よ、いまさら。 あんたが……こうやって一緒に帰ってくれてるから、こんなに遅い時間まで、安心して仕事こなせるんじゃないのよ、ばか」 「…………うん」 僕は、まいさんに笑ってみせた。 ……ああ、どうしよう? まいさん可愛いすぎる……。 とりあえず、今日のところは自分の欲望に忠実に、この可愛いらしい女性(ひと)を、腕のなかに閉じこめておく。 ……うん、大丈夫。 きっといまの僕の行動は、まいさんの「許容範囲」のはずだから───。
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