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同窓会当日。
幹事を引き受けている有香と、もう一人付き合いの続いている友人である奈々子と、待ち合わせて訪れた会場の店。
くじ引きで割り当てられた席につき、何も聞かされていなかったようで突然の懐かしい顔の登場に驚く元クラスメイトと挨拶を交わす。
「三倉さん、久しぶり」
そこへ背後から掛けられた低い声。
あの頃とは違う声の主は、振り向いて顔を見るまでまったく誰かも思い当たらなかった。
……見てすぐにわかった。「彼」だ。
「わぁ、小野寺くん」
上手くさり気なさを装えているだろうか。
とりあえず声が上擦ったりはしなかった。表情もおそらくは自然、なはず。
──名古屋に引っ越して離れて、また東京に引っ越して来て。打ち合わせも何もしてないのに本当に会えた。
これも、運命?
~END~
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