8人が本棚に入れています
本棚に追加
真実
2038年10月25日5:12 午前
中山捜査主任官が亡くなってから3日。
捜査主任官は七海警視へと引き継がれた。
大林「おい、五十嵐。」
大林刑事が急に呼んでくる。
大林「お前、目標は押の仇をとるんだろ?」
タカシ「そうですよ?」
大林「もう達成してるじゃないか。」
確かに、もう篠原は逮捕している。
でも、それは日常の目標であって、
警察としての目標ではない。
タカシ「僕の目標はそれだけじゃないんです。」
大林「、、、聞かないでおこう。」
大林刑事は深呼吸をして言った。
大林「この事件が終わったら、聞くとしよう。」
タカシ「、、、そうですね。」
そう言うと大林刑事は僕と反対を歩いて行った。
あぁ、この緊急事態はいつ収まるのだろうか。
大林一族が襲ってくるまであと4日。
時間がない。
2038年10月22日5:27 午前
大林は食堂でコーヒーを飲みながら七海捜査主任官と話していた。
七海「時間がない、ですね。」
大林「そうですね。」
七海「次に大林一族がどんな攻撃を仕掛けてくるか。」
大林「殺人が目当てでしょう、あいつらは。」
すると、七海の顔が急に変わった。
七海「なぜ、そう思うんですか。」
大林「あいつらは、大正から殺人をしてきています。
なら、そう考えるのが妥当では?」
七海「そうですか。」
七海の顔は元に戻った。
しかし、なぜそんなに人を殺すんだろうか。
疑問でいっぱいだ。
そしてなぜ私は人殺しとして育てられなかったのか。
私が父の"最後の希望"だったからか?
何か目的があるのか?
ていうか、一ノ瀬の調子が悪いと言っていたな。
いま、一ノ瀬がいるとしたら、そこが大林一族の拠点か?
大林一ノ瀬。
初代大林一族。
大正元年。
殺人。
大体、大林一族はどんな教育を受けていたんだ?
洗脳か?
虐待か?
奴隷か?
大林「う"ぅ"ぅ"!!!」
頭が、、、、頭が痛い、、、!!!
頭痛、、、、!
なんだ、、、、記憶か?
あ、、、、やばい、、、!
バタッ
七海「、、、君は知ることになる。」
七海「一族の真実を。」
=====
私は、大林一ノ瀬。
1900年に今の廃工場で生まれた、若者だった。
私の一族は、優秀な人材を出してきた。
大林一族は天才的な家系として有名だった。
ほとんど大林一族は国の為に働いていた。
議員。
大臣。
軍隊長。
大林一族は全てに置いて天才的だった。
だが、それ故に孤独。
それ故に、思想が理解されなかった。
次第に、一族は自分たちの考えを理解できない下民共を想い。
今この世で必要なのは優秀な人材である者だけ。
大林一族はそういう思想を持つようになってしまった。
そうして、12年の年月を経て。
計画を開始した。
1912年
2人の親子が殺害された。
殺したのは私だ。
優秀だったのかわからないが、
大林一族は皆、殺害した後自首していった。
そんな生半可な気持ちでは、この世にまたバカ共が生まれてくる。
危機感を持った私は、人の心を捨てた。
そうして、一族の子供たちを洗脳した。
私の思想を押し付けた。
まるで宗教のように。
それから一族は殺人一族へと変貌したのだ。
結局何が目的なのか、それは。
優秀な人材だけを残し、その他馬鹿共を殺す。
天才だけの世界を作る。
これが大林一族のすべての目的だ。
いや、私の自己満足か?
違う、我々の為に自首していった者たちへの贖罪なのかもしれないな。
そして、現在。
その計画の第2段階だ。
我々、大林一族は知能が低い人間共を殺害し、新しい世界を作る。
天才だけの、、、。
あと4日で、、、全ての知能の低い人間が死ぬ、、、!
素晴らしい、、、私の望む世界が、、、すぐそこに、、、!
=====
大林「、、、、、っ!!!」
大林一族の目的は天才だけの世界を作る?
そんなこと、、、、いや。
できるかもな。
あれなら。
タカシ「あぁ!大丈夫ですか!?」
というか、夢を見たの久しぶりだな。
14年ぶりか、30代の頃を思い出すなぁ。
五十嵐、千田、十影、三原。
俺が終わらせるよ、この悪夢を。
大林「あ、あぁ大丈夫だ、少し疲れていたみたいだ。」
大林「大林一族の考えが分かった。」
タカシ「へ?」
大林刑事は何かを理解したような、爽やかな顔をしていた。
まるで、罪から解放されるように。
現在2038年10月22日8:36 午前
最初のコメントを投稿しよう!