殺人鬼2~atonement~

思想

私の教育は間違っていたのだろうか。
いいや、間違っていない。
この世で一番いらないもの、それは。
無能な人間。
我々大林一族はそんな無能を軽蔑してきた。

この世に要らないからだ、無能がいるからこの世は発展しないのだ。
無能が欲に溺れるから争いが起こる。
報われない命が宿る。
何度も過ちを繰り返す。
無駄な時間が流れる。
天才が損をする。

この輪廻を終わらせるのだ。
こんな世の中は、こんな世界は私が変える。
全ては大林一族、天才達の為なのだ。
邪魔する無能な人間は消す。
やさしさなどいらない。
我々、大林はこの世界をリセットする。
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私は、望まれて生まれてこなかった。
本当は初代ではない。
私は、本当は生まれてはいけない存在だったのだ。
私の親は、快楽に溺れながら行為をしていた。

そんな時に、私は生まれてしまった。
私の存在を否認する事を失敗した親は、
私を軽蔑し、
私を殴り、
私を捨てた。

"廃工場へ"

笑えない。
話せない。
吐き気がする。
ふざけるな。

無能は望まない者を生む。
だが、その存在を否認しようとする。
否認は出来ない。
もう産まれてしまったのだから。
そんな可哀想な子。
私は可哀想なんだ。

だれか私を愛してくれ。
もう私を愛すものはいない。
私は孤独だ。
それが私の運命なのだろう。
繰り返す危険思想。
ぶり返すあの痛み。

全ては無能な人間がいたからだ。
無能さえいなければ、
欲なんてなければ、
愛なんてなければ、
妊娠なんてなければ。

私は生まれてこなかったのに。
私はそのほうが幸せだった。
幸せになんてなれなかったのかもしれない。
幸せを求めること自体おかしいのか。
幸せってなんだ。
無能のせい。
全て。

私は、子孫に私の思想を押し付け、洗脳し、無能を殺害させた。
私の計画が終わるまで、死なない。
私は、この憎しみをどこへ捨てればいい？
なぁ、私の親共よ。
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そして大林一変。
こいつは例外。
私の洗脳が行き届いていなかった。
いわば、エラーだ。
一人だけ、普通の人間として生まれてきた一変は幸せだっただろう。
腹が立つ。
私は、なぜ普通の家庭に生まれなかったのだろう。
一変が普通に生まれてきた原因。
それは父親だ。
母親は大林一族の一人だ。
父親は大林一族ではない、普通ならここで洗脳が完了しているが。
完了していなかったのだ。

いずれ父親は我々の思想に違和感を持ち、離婚し、一変を預かった。
一変は兄弟がいた、それは大林十田。
十田は母親が預かった為、洗脳が完了していた。

一変の父親は大林一族が殺したが、交通事故と隠蔽している。
それから一変には十田を洗脳しに、家へ居候させた。
周りの人間を殺し、殺人一族だと自覚させるためだ。

だが、一変は洗脳できなかった。
特殊な人間だ。
我々の計画には邪魔だ。
だが、十田から連絡があった。
我々の計画に必要な能力。
現れないと思っていた能力。
化学では解明できない能力。
そう、人の記憶を見ることができる能力。

それが一変にあったのだ。
殺害しようと思っていたが、変更。
我々は死に物狂いで一変を洗脳しようと考えたが現在に至っても
洗脳できない。
彼は、彼こそが、真の天才なのだと。
我々は痛感した。

ならば、一変と共に無能を殺せば良いと考えた。
洗脳できなければ殺せばいい。
無能を殺した後、またいつか無能が生まれてくる。
そうなったらまた殺す。

危険思想。
輪廻転生。
極悪非道。
我々の計画はすべてで7段階ある。
第一段階
大林一族の洗脳。

第二段階。
日本の中心部を占拠し、無能を消す。

第三段階。
日本全国を占拠。

第四段階
ユーラシア大陸を占拠。

第五段階
オーストラリア大陸を占拠。

第六段階
アフリカ大陸を占拠。

第七段階
世界全国の無能を消し、新しい世界の誕生。

我々の望む世界はまだ遠かった。
だが、日本の中心を占拠できれば日本に王手がかかる。
我々は国会を占拠し、全レベルにこう指示した。
"大林一族に従え"
これなら自衛隊も、警察も、手を出せない。
国が全てだからだ。
無能どもは法律に縛られながら生きている。
上のものに利用されているとも知らずに。

全ては大林一族、そして天才達のために。
私は、大林一ノ瀬だ。