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嬉しい秘密
飛鳥は祐樹の耳たぶを軽く噛む。
「それはね。私が祐くんのこと、大好きだってことです」
祐樹の体が大きくのげぞる。
「待ってください。僕なんか誰も……」
「私はずっと祐樹くんを見てきました。真面目で心がやさしくて、とっても親切ないい子。それか分からない女子なんか、祐樹くんが相手にする必要ありません。私、ひとりだけいればいいのです」
飛鳥は言った。
「ずっと祐樹くんを見てきた」
それじゃあ飛鳥が家政婦として家に来たのは、ずいぶん昔だったのだろうか? 祐樹は一生懸命、思い出そうとしたけれどよく分からなかった。
だが飛鳥が自分を好きと言ってくれたことが、嬉しくてたまらなかった。それは間違いのない事実……。
「この秘密、絶対誰にも話さないでください。これから会う人、誰にもですよ。私の可愛い祐くんなら、分かってくれますよね」
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