784人が本棚に入れています
本棚に追加
/118ページ
「_本当に遙ってセンス無いよね」
「え、これもダメなのかよ!?」
「いや、可愛いけどあの茜先輩には合わないでしょ。好きそうじゃないし。」
次の日の昼休み、幼馴染の景介と共にネットでネックガードを見ていた俺。選ぶ者全てにダメ出しされる俺は少し落ち込み始めていた。
「これ番とペアなんだし、遙も使うんだよ?そりゃあ、αの方はネックレスとかリングだけど付けれるの?」
「…無理っすね」
「そうだよね。シンプルなので良いと思うよ?」
そう言われても、シンプルな物を見付けてもハート型やハートの模様等が彫られているのだ。茜さんが付けても似合うかもしれないが、俺が付けるには抵抗を感じる。
どうしたものかと思っていると、校門の前に黒塗りの車が停車しているのに気が付いた。慌ててスマホを確認すると茜さんから「急用が出来たので先に帰ります」とメッセージが送られていた。
「俺、帰るわ!先生に伝えておいてくれ!」
「え!?ちょっと!」
俺は急いで「俺も行きます」と返信してはカバンを持ち玄関へと向かった。そこには靴を履き替え終えた茜さんが居り、俺を見ては驚いた表情を浮かべている。
「君は良いのですよ?」
「護衛なんで。…迷惑ですか?」
「…好きにして下さい。先生達も君の事を知っていますし問題は無いと思いますしね」
学校側は俺が茜さんの婚約者で護衛をしている事を知っている。なので、家庭の事情で俺が茜さんと共に早退する事も有ると理解しているだろう。
俺は茜さんと共に黒塗りの車に乗り込んでは本邸へと向かった。広間には当主である茜一清さんがお茶を飲んで待っていた。
「おう。なんだ、遙君も来たのか。随分と護衛らしくなったなぁ」
俺を見るなり来るとは思わなかったらしく驚いた様子だったが、直ぐ可笑しそうに笑みを零した。許嫁では無く護衛らしくなったと言われても余り嬉しくは無いのだか仕方が無いと茜さんの少し後ろに座った。
隣に座らないのは立場上、茜さんの立場が高いからだ。例え、番だとしてもそれが変わる事は無い。
最初のコメントを投稿しよう!