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「_所で、あの方は元カノさんだったのですか?」
夕食を食べている時、ふと思い出したかの様に問い掛けてきた。
「いや?付き合ってるっていう嘘をホラ吹いてた知らない女だけど」
「あぁ、そう云う⋯。αと云うのも大変ですね」
「面倒で否定しなかったのも悪かったんだけどさ」
周りに数人αは居たが、中には俺と同じく誰かのステータスの為に利用された奴が居た。ソイツは同族のαとΩのどちらも嫌っていたが、今何をしているのだろうか。
「あの方に酷い事言ってませんよね?」
「酷い事なんて言ってねぇよ?男と身体の関係持ちたいみたいだから、良い仕事紹介するとは言ったけど」
「⋯君って子は⋯」
「え、言っちゃ駄目だったか?でも、ああ言う奴らは一度痛い目見ないと分かんねぇからさ」
きっと、あの女は彼処まで言われても自分のステータスの為に何でもするだろう。意地になって、そう云う世界に入るかもしれないが、ああ言う奴程長続きはしない。
そう云う世界で生きる覚悟も無い、ただ快楽の為の奴が生きていける所じゃない。
「君って、私達以外には本当に冷たいのですね」
「冷たいか?永清達以外の奴らなんか興味無いしなぁ⋯。クラスメイトとかも名前殆ど分からないかも」
「はぁ⋯、私は君が心配です」
「え、何で?」
(遙君は誰にでも優しい人間だと思っていましたが、他人には無頓着だとは⋯)
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