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「永清はさ、親父さんの跡を継ぐんだよな?卒業したら直ぐ」
「いえ、直ぐには継ぎませんよ。私は大学へ進学しますから」
「え、大学?」
「はい。少しやりたい事が有りまして、大学へ行きます。灯里も同じ大学を志望していますので、合格すれば一緒に通います」
まさか、大学へ進学するとは思わなかった。まぁ、親父さんはまだ若いし直ぐに継ぐ必要は無いだろう。
それにしても、永清が大学に通うとなると一緒に居る時間も減りそうだ。高校と大学では勉強量がまた違うし、やる事だって増えるだろう。
「本来なら、来年の春で私達は同居を解消しそれぞれの生活を送る筈でしたが、今はこうして君と番えているなんて、人生というのは面白いですね」
「⋯俺は別に、番えなくても離れる気無かったけど?」
「おや、そうなんですか?」
「まぁ、心底嫌がるなら離れたけどさ」
もしも、運命の番じゃ無かったら今頃どんな関係になっていただろうか。今の様な関係にはなっていなかったに違いない。
「ところでさ、さっきのメイド服また着てくれない?」
「え、何故ですか?」
「…夜に着て欲しいなぁって、思いまして」
「…変態すぎませんか、君」
「男はこんなもんだっての…」
正直、あのメイド服姿も可愛かったが鹿島さんが着ていた様なチャイナ服を着て欲しい願望は有る。然し、鹿島さんの強烈な姿を思い出してはげんなりしそうなので遠慮しておこう。
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