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「それは構いませんが、何もしないで下さいね?」 「いや、そんなに盛ってる人間だと思われてる?」 「⋯」 「止めて。そんな目で見ないでくれ」  そりゃあ、好きな相手が傍に居たら触れたいと考えても無理は無いだろうが。  同意が無い時は何もしないと約束し、一緒に寝る権利を得た俺は内心大きなガッツポーズをした。 「そう言えば、お正月はどうするんですか?ご実家に帰られるのでしょうか?」 「正月か⋯。いや、今解体した後の事で忙しそうだし帰んねぇかな」  俺の実家は解散した後、孤児院の経営をする事になった。  幼い孤児は勿論、Ωだからと苦しむ学生達も保護する様だ。田舎の方に施設を建てて準備をしている為にこっちには居ないのだ。 「なら、茜組の皆と過ごしましょう。少し騒がしい上に落ち着かないかと思いますが…。日愁兄さんも恋人と共に帰って来ると言ってますので」 「良いのか?」 「それは勿論」  1人で過ごしても良かったのだが、永清が良いと言うのならお邪魔になろう。日愁さんの恋人も気になるし、番になった事を報告しなければいけないしな。まぁ、永清から連絡はいってるだろうがそこはしっかりと報告しなければならないだろう。日愁さんは俺の義兄になるのだから。  
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