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 学校も冬休みに入り、大晦日当日。本邸では夜の宴会の準備で大忙しだった。おせち等は手作りが殆どで、良い匂いが漂っており腹が空きそうである。  俺も手伝おうと思ったのだが、時間になる迄ゆっくりしておけと言われてしまった。ただ待っているのも落ち着かないで居ると、日愁さんの大きな声が本邸に響いた。 「お、蕪木も来てたんだな!」 「お久し振りです、日愁さん」 「永清から話は聞いている!永清の事幸せにしてやってくれ!」 「はい、必ず幸せにします」  満足そうに笑うと、俺の背中をバンバンと叩く日愁さんの背後に恐らく恋人と思える人物が隠れていた。気になり顔を覗かせると、そこには見覚えの有る人物が立っていた。 「_飛鷹(ひだか)?」  中学の時にαであり、同族のαも自分に媚びを売り利用するβやΩを嫌っていた飛鷹由凪(ゆなぎ)だった。αの飛鷹が何故と考えていると、日愁さんの声にハッと我に返った。 「知り合いだったのか!」 「え、同中だった友人です…」 「そうなのか!それは凄い偶然だなぁ!」  豪快に笑う日愁さんの横で気まずそうにする飛鷹の様子で、何かを察した永清は日愁さんに声を掛けた。 「日愁兄さん、少し2人にしましょう。久し振りの再会ですから」 「ん?そうだな!先に親父達に挨拶して来るか!」  永清に心の中で感謝し、部屋から離れたのを確認すると声を掛けると、逸らしていた視線がこちらに向けられた。
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