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「_余り納得出来てない顔だな、遙」  街の散策途中、コーヒーショップにて休憩をする事になった俺達。  永清と和泉さんは注文しに行っていて氷知と2人っきりである。  番になった経緯は知らないが、自分の命を狙った相手を傍に置いている時点で気に入らない。番になったとて命を狙っていないとは限らないのに本人は飄々としているのがまた腹立たしい。 「アンタ、まさか同意は有って番えたんだよな⋯?」  そう問うと、氷知は何も答えなかった。その変わり、こちらに向けられた笑みに恐怖心を抱いた。  傍から見れば、分け隔て無く接する普通の人間に見えるが永清よりも遥かに普通から掛け離れた人間だ。  普通ならば和泉さんに処罰を下すのが妥当だが、痛め付ける訳では無く自分の番にし逆らえない様にしたのだ。勿論、和泉さんが氷知を殺せば番は解消されるが生きては帰れる事は無い。  和泉さんに対し、Ωとしての役割を求めている訳では無いのだろう。それもそれで気に入らないが、和泉さんの様子を見るに手を上げられていたりは無いと思うが余り氷知と一緒に居るのはオススメ出来ない。 「本当に好きで番えたのかよ」 「はは、お前は純情だな。まぁ好きだよ、殺したい位には」 「⋯本当に頭可笑しい」  恍惚とした笑みを浮かべる氷知は本当に狂人だ。こちらの世界に選ばれて生きている、そんな人間が知人で良かったと改めて思った。
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