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 確かに、理戸組を攻めるのならば先ずは氷知を排除した方が良い。氷知は強いと言えど、女が男に力で勝てる訳が無い。まぁ、頭脳では氷知の方が勝てるだろうが。 「これはあくまで私達の想像に過ぎないが、用心するに越したことはない。永清もそうだが、遙も1人で行動はするなよ」 「忠告有難う御座います。貴女方も用心してお帰り下さい」 「嗚呼、有難う」  氷知の想像が現実にならない事が1番だが、相手の動きが分からない以上こちらは用心して生活する他無い。  然し、この時期に抗争等有れば永清の進学が危ういんじゃないだろうか?それだけは何としてでも避けなければならないだろう。 「此方はあちらが手を出して来た時点で襲撃し1人残らず捕らえる計画だ。もしそうなれば協力を仰ぐとそちらの組長には伝えてある」 「お前、こっちに来て観光してる場合じゃないだろ」 「今の内に思い出を作っとかないと次は無いかもしれないだろうが」 「始めから死ぬ事を想定してんじゃねぇよ。落ち着いたら来たら良いだろ、付き合うし」 「おや、随分と優しいじゃないか」  次何時会えるかは分からないが、どうせ氷知は死ぬ事は無いだろう。  腕が無くなろうと、足が無くなろうと簡単には死にやしない。 「怪我はしても死ぬなよ」 「はい。理戸さんもどうかご無事に」
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