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「_お前、誰の指示で私の命を狙った」
車から降りた直後、ナイフを持った男が私を刺しに襲い掛かってきた。掠りはしたが男を捕らえる事が出来、今は私1人で尋問中である。
和泉愬良と云う男は、Ωと云う理由で利用されたのかと考えたが何も言おうとしないので、どうしたものかと悩んでいた。
「金で雇われたのか?それとも、誰かを人質にされてるとか?」
「⋯」
「お前が命を懸けて守るべき奴らなのか?」
「⋯俺は、身内も居ない。死んでもなんの問題も無い」
やっと口を開いたと思えば、自分は生きていても意味が無いと云う事だった。まぁ、そんな事だろうと思ったが、今の時代でもΩを奴隷の様に扱う奴らが居るのだなと呆れた。
「なら、私の護衛として傍に居れば良い。衣食住は心配する事は無い。まぁ、居心地は悪いかもしれないがな」
「⋯俺は自分を殺そうとした人間だぞ。傍に置く馬鹿が居るか⋯!」
「此処に居る。⋯丁度護衛が必要だったし、お前は私の好みの顔をしている。その上、どんな願いでも聞いてくれそうだ」
護衛を探していたのも、顔が好みなのも真実で有り、躾れば願いを何でも聞いてくれそうだとも思った。
身内が居らず、生きる為に雇い主の元に居ただけなら別に私でも良い筈だ。普通なら、自分を殺そうとした人間を傍になんて置かないが。
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