立ちんぼ

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立ちんぼ

狂おしい程に純情だったあの頃が目を覚まさないよう強く抱いて、私は静かに待つ。待ち人は来るまで分からない、来るかどうかさえ。ふと、光るネオンがやけに遠くに見えて目を細めていると酒の匂いを連れ男が近づいて来た。「これでどう?」一本立てられた指に頷き、私はヒールを鳴らした。
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