相合傘 A

1/1
前へ
/14ページ
次へ

相合傘 A

通り雨が過ぎ去っていった後の道を並んで歩く。隣で濡れた傘を一本手にして歩く友人は、雨が上がってからずっと水溜まりばかり見ている。声をかければ返事はある、その声色もどこかぎこちない気はするが。ちらりと隣に目を送ると赤く染る耳。あと少しで、落ちてくれるだろうかと思わず口元が緩んだ。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加