第1章 秘めたる恋路。

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第1章 秘めたる恋路。

時は遡る事今より9年前の 西暦190年07月07日の事になります。 洛陽で好き勝手していた董卓は、 袁紹を盟主として担ぎ出した… 董卓討伐軍が出来た事に怯え… 董卓「李儒、儂の天下が揺らがないように何とか案を提案せよ!」 怯えすぎて何故か韻を踏んでいる董卓に李儒は突っ込もうとせず… 李儒「洛陽は攻めるに易く守りがたい場所ですが長安ならば守るに易く攻めがたい場所になるので長安への遷都を強くおすすめします。」 長く漢と運命を共にしていた洛陽を捨て董卓の本拠地であり出身地でもある涼州近くの長安に遷都する事を提案しました。 これにより… 董卓「決定、長安へ今すぐ遷都だ!」 傍若無人な董卓は誰の意見も聞かず 強引に遷都を決行しました。 その決定に1番不服だったのが、 董白「ちょっと…あれもこれも乗せてないのに…もう長安へ行くの?長安だなんて化粧道具を買えない不便な場所じゃないのよ…」 董卓に寵愛されている13歳になった 孫娘・董白でございました。 どうやら洛陽なら市場で簡単に買えた化粧道具なのですが長安は途中の道が極めて険しいため化粧道具もなかなか手に入らないと聞いてしまい… 董白「お祖父様には言えないけれど…極めて不満なのだけれど…」 かなりの不服顔になっていました。 しかし… 董卓「敵が来る前に慌てて急いで撤収せよ、出来ないものは…置いて行く。」 孫娘を含めた民衆達の不満も余所(よそ)に董卓は生きるために長安への道を急いで進んでいました。 すると… 曹操「董卓、覚悟せよ!」 治世の能臣、乱世の奸雄と称された 曹操が曹仁、曹洪らを引き連れ 董卓に歯向かいました。 夏侯淵「ちょっと殿!俺達が何で後ろの方になるんですか?」 夏侯惇「妙才、要らぬ事を突っ込むでない、今はそんな事よりも心配な事があるのだ…既に…もう怪しい態度をしているのだが…」 夏侯惇の申す通り、 曹操の配置には意味があり 曹操、曹仁、曹洪が前列にいたのは… 呂布「曹洪なぞ… この俺が捻り潰してくれるわ! 来るが良い、虎の威を借る狐め!」 呂布からの挑発に曹洪を乗らせない為だったのですが血の気が多すぎる曹洪はそれどころではなく… 曹洪「おのれ!俺は狐ではない! それに俺は狐が嫌いなのだ!」 血の気が多すぎて熱血漢という方が しっくりする曹洪はどうやら狐ではなく虎の方が好きなようでした。 曹操「子廉、虎でも狐でもどちらでも良いから呂布からの挑発に乗るでない!」 曹操が必死に止めたものの 一旦火がついた曹洪には誰の制止もその耳には届きませんでした…。 曹洪「待て、呂布!」 呂布「待てと言われて…待つ奴がどこにいるのだ!やはり馬鹿か?」 曹洪「馬鹿だと!その口今すぐ塞いでくれる!覚悟しろ!」 曹洪は度重なる挑発に怒りを覚え、 呂布を追い掛けて深追いしました。 曹操「子廉、戻れ!戻らんか! 子孝、済まぬが子廉を連れ戻してはくれぬか?子廉1人では呂布に太刀打ちする事など出来るはずなかろう。」 曹仁「御意!」 曹仁は仕えている曹操からの命により曹洪を追い掛け連れ戻す事を命じられ 曹洪達が向かった場所へ向かうと… そこは… 曹洪「呂布、計ったな! 崖に追い詰めて俺の命を奪うなぞ 卑怯者のする事だぞ…」 長安近くの崖でまさに絶体絶命の状態である曹洪でしたが… 董白「呂布!いつまで遊んでいるの? お祖父様がお怒りよ!急ぎ長安へ遷都しなければ董家の皆が安心出来ないじゃないの!?」 間一髪のところで呂布に説教をする 強気な美女のお陰で命拾いしました。 それに… 呂布「やかましい!魅音!爺が居なければ何も出来ない小娘が俺に逆らうな!13歳なぞ俺からすれば赤子同然だ!その面を俺に見せるな!」 呂布は董卓に寵愛されている董白からの命令に逆らう事は出来ず文句を言いながらもその場を後にしました。 曹仁「…魅音殿…!」 曹仁が去りゆく馬車に向かって 先程呂布が発した名前を大声で呼ぶと 董白「気安く呼ぶものではない! けれど…また逢えたら話くらいはしてやるわ!」 馬車の窓が開き董白からの上から目線を極めた返事が聞こえました。 曹仁「また逢えたら…とはまた自分に逢いたいという事…という事は…」 曹仁は、 耳まで真っ赤にして照れていましたが 曹洪「分からぬ… どこが良いのか全く理解に苦しむ。」 美人で尚且つ夫の3歩後ろを歩く 女性を好みだと前々から主張している 曹洪には曹仁のタイプが分からないようで曹操達が来るまでずっと首を傾げておりました。
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