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第六話 時計
薄明かりの中で目を覚ましたあかりは時間を確かめた。左腕に巻いたGーショックは「06:18」を表示している。
洞窟で明けた二回目の朝。こっちに来て三日目になる。次第に頭がはっきりしてきたあかりは、そこで気づいた。
―― この時間って合ってる? ていうか、この世界の一日って二十四時間でいいのかな?
あかりの時計は電波時計ではない。いや、そもそもこの世界に時刻情報の標準電波は存在しないはず。だから今表示している時刻も転移する前から継目なしで、ただ動いているだけだ。
そこまで考えて行き詰まったあかりは、寝転んだままの姿勢でこわばった背中を伸ばす。隣でキャラルが寝返りを打った。
―― 日の出は見てないから断言はできないけど、この雰囲気はどう見ても朝っぽいよね。時差呆けみたいな感じもとくにない。てことは、とりあえず今の時刻が朝六時過ぎってことにしといても大丈夫かな。
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