エミリーとしっぽ

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 しばらく歩いて着いたのは、たくさんの人が集まる、山の中の花見会場でした。  上を見上げると、一面ピンクの花が咲きほこっています。  青い青い空に、ふわふわのピンク。濃いピンク薄いピンク。手前にもピンク奥にもピンク。風にそよぐ、ピンクピンクピンク。  わあ、すてき! わたしピンク大好き! こんなにたくさんの花が集まって咲いて、まるで雲みたい! エミリーがはしゃぐと、男の子は自慢げに鼻をかきました。 「夜には月明かりとキツネ火で、夜桜だ。そしたらキツネの姿になれるから、その時名前を教えてくれよ」  あなた、わたしをなぐさめてくれたのね。ありがとう! とエミリーが抱き着くと、男の子は照れてエミリーをすぐに離しました。  元気になったわ。でも、もう帰らなきゃ。エミリーが男のに告げると、男の子はエミリーの手を引いて奥へ奥へと進みます。 「おかあちゃん、いるか? 見つかるまで一緒にいてやるよ」
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