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僕は目を丸くした。
「えっ、今何て?」
「宿題を家から取ってきなさい。と言ったんだ」
「でもまだお昼ですよ? 午後からの授業は?」
「五時限目は俺が教える理科だったな? 大丈夫。特別に休んでも良いぞ。クラスの皆には、田中は腹痛のため保健室にいると伝えておこう」
「いやでも」
「先生ずっと待ってるからな。宿題を取りに帰れたら、ちゃんと職員室まで持ってくるんだぞ」
笑顔を浮かべる先生に僕は青ざめる。
「どうした? 本当に腹が痛いのか?」
顔を覗き込まれ、
「ウソでした!」
気づけば叫んでいた。
「宿題はできてません。本当にすみません!!」
震える僕の肩に先生が手を置く。
「反省してるならそれで良い」
先生が穏やかな声を出す。
「これからは真面目に宿題をやるんだぞ?」
鼻をすすって強くうなずいた。
「はい!」
「そろそろ授業が始まる時間だ。田中は先に戻っていなさい」
「分かりました。先生ありがとうございます!」
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