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ったく、と言ったあと。「おい、礼のブツを」「こちらです」現部長は、持っていた紙袋から、赤いバラの花束を宗矢に差し出した。芽衣は目を見開く。が、問いかける前に。
「 結婚を前提に、俺と付き合え。芽衣。 」
耳まで真っ赤で、宗矢はその花束を差し出してきた。
「……え!?」
目を見開き、芽衣は薔薇の一輪一輪を凝視する。
「というのが俺たちの、最高の美人マネ、芽井先輩への卒業サプライズでーす!」
「末永く! お幸せに!」
「まさか断るわけないっすよねえ?」
「散々、部活中にも痴話喧嘩してたもんねー」
「宗矢先輩、婚約者のような恋人さんなんですから、とことん大切にしなきゃだめですよ」
どういう、とまごついていたが。ハッとして芽衣は赤くなりながら、現部長に問う。
「部員全員、グル!?」
「「「はい!!」」」
やられた~……と芽衣は頭を抱えたが、少し黙った後に花束を受けとり。
「ど、どんな不幸のどん底に落ちたとしても、一緒に居て乗り越えてくれるなら。ま、まぁ、考えてあげてもいいけど……」
「たりめーだ。手放してたまるかよ」「わっ!」
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