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んだよ、と視線をやると、グイ! と無理やり首を回され、グキ! と音がして。「イッテ!」
「あ、ワリ」
「てめー、怪我悪化させんじゃねえよ!」
「はいはい。でもあんたは首の骨折れても、死にゃしないよ、わたしが保証する。ほら、絆創膏」
大き目の絆創膏を貼ろうとする芽衣は、先ほど以前俺が喧嘩を売った、他校生からの仕打ちの擦り傷を手当てしようとしてるようだった。だが、俺は素直になれない。「馬鹿、お前」
「俺と居ることで、また目ぇ付けられたってしらねーぞ。いらねぇよ、そんな施し」
「黙ってろ! わたしがしたいからするだけ。ったくもう」
「おじさんもおばさんも、心臓いくつあっても足りないよ」。そう言って絆創膏を無理やり貼ってくるので、イテエ! と言うが、ハイ次湿布~と打ち身の部分に冷たい湿布薬を張ってくる。
「……なんで、そんなもん持ち歩いてんだ」
「バーカ。あんたがまた、怪我してるだろうからってきいて、おばさんに貰ってきたの。どうせ、居る場所っていったら此処くらいだろうと思ってね」
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