わが身世にふる ながめせしまに

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 テーブルに携帯と箸袋を置いて ソファに座ってボーッとしていた。    ブブッ。ショートメールが来た。 「こんばんは、こちらははるちゃんさんの携帯ですか?アズマです」  はるちゃんさん?携帯? 「はい。こんばんは」 「今日はすいません。兄さんが変なこと言って」 「いえ、全然気にしないでください。それより足、本当に大丈夫なんですか?」 「こんなもの。全然、全然、大丈夫です。そのうち競走馬よりも早く走れるようになります」 「WWW、それならよかったです」 「あの…それで…中山競馬場にいくのはダメですか?」 携帯を見つめる。<ダメですか?ダメですか?ダメですか?> アズマさんの優しい声がこだまする。わからない、わたしをせめないで。 「また後でお返事してもいいですか?すいません。今日はもう寝ます。おやすみなさい」 「はい、おやすみなさい」  シャワーを浴びパジャマに着替えて、ベッドに入った。  その晩、一睡もできなかった。
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