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政略結婚
私の母はシュトーレンという獣人が住む国の姫で、真っ白な羽を背中に生やした獣人だった。私の父はエルドラシルという魔法が使える魔法騎士の力で栄えた国の王で、虹の王と呼ばれている。
ふたりは両国の友好関係維持のため、政略結婚をした。父は、結婚し嫁いできた母の背中を指差し「気持ち悪い」と言い、「化け物だ」と言った。それを聞いた母は、自慢の白い羽をナイフでそぎ落とした。
愛してもらうために。愛を乞うように羽を切り落とした。
それから数年後、生まれてきたのが私だ。
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