政略結婚

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シュツルと名付けられた私は、生まれてすぐに背中に生えていた白い羽をナイフで切り落とされた。父の命令で、母が泣きながらそぎ落としたらしい。夫婦仲はその行いによってそこそこ良好に保たれ、私はなに不自由なくすくすくと成長した。 私が赤ん坊の頃、命を狙われて刃物を喉に突きつけられたりもしたが、概ね8歳までは幸せだった。母は美しく聡い人だったため、暗殺者のヨドを丸め込み、絶対権力を持つ父をも丸め込み、私と母とヨドとの3人で青の宮殿にて慎ましやかに生活をおくっていた。
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