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愛しき孫よ?!
魔王軍キャンプに着いた。
大量のトカゲ人間達が死んでいた。
そして、ガキン!!ゴキン!!という音がする。そこに向かう。
身長3メートル位の褐色肌で筋肉の大男と、傷だらけの九十九達が戦っていた。
「どうした?青年よ?もう終わりか?鍛え方がなっておらんぞ!!我、ガレオンを楽しませよ!!オラァ!!竜王パンチ!!!!」
凄まじい風圧だった。
僕達は飛ばされないように、ジリジリと近づく。
九十九達は、パンチの衝撃波に、かなり飛ばされた。数メートル飛んだ。
僕達は、竜王ガレオンと対峙した。
「次は、貴公達か?相手になろうぞ……?!」
動きを止めた。ガレオンが言う。
「ヘルちゃん?!ヘルちゃんじゃないか?!」
「お、おじいちゃん。ひ、久しぶり。元気でよ、良かった」
ガレオンは、僕達を無視し、孫、ヘルダーラントに近づき、抱きしめる。
「良かった!報告では死んだと聞いていたのだ!!なんだ?その首輪は?どうして、人間と行動しているのだ?!」
「お、おじいちゃん!く、苦しい。い、今、話すから」
ガレオンは、抱きつくのを止めた。
ヘルダーラントは、説明をする。
ガレオンは、泣く。泣きじゃくる。
「良かった、愚息クロスダイは、我より死に、更に、可愛い孫まで死んだと聞いて、自暴自棄になっていたが、ヘルちゃんが生きていてくれて、おじいちゃん、生きていて良かった。魔王様に感謝だ!!ガハハハ!!!!」
なんだろう?この空間。
ガレオンが、こちらに向き、正座して言う。
「孫を助けてくださり、ありがとう」
僕達は返事に困り、こちらも正座して言う。
「お孫さんは、僕達のメンバーの中で強い娘さんです。いつも、守ってくれてありがたいです」
ガレオンは、ガハハハと笑う。嬉しそうだ。1枚の絵を取り出す。
「見てくれ!!この絵は、まだ、6歳になったヘルちゃんが、おじいちゃんの似顔絵だよーと描いてくれた絵だ!!」
ヘルダーラントは、普段見せない顔をしながら、困っている。
「お、おじいちゃん!や、やめてよ~!」
上目遣いで泣きそうだ。
「…………やっぱり、可愛いな」
僕は素直に言う。
ヘルダーラントは、えっ?といい、ますます顔を赤くさせる。
「チカラを隠してる少年。キョウ殿といったかな?頼む!!孫を返してくれ!!我の近親者は、もうこの孫しかおらんのだ!!冒険者とはいえ、死ぬことなんて、許されない!!頼む。後生だ!!!!」
僕は、ヘルダーラントに聞く。
「ヘルダーラント。魔王軍に、しかもおじいさんと会えるの、これが、最後かも知れないよ?僕は、引き留めない。君はどうしたい?」
ヘルダーラントは答えた。
「お、おじいちゃんは、じ、自由に生きろと、いつも言ってくれた。だ、だから」
ヘルダーラントは間を空けて続ける。
「わ、我、キ、キョウ達と冒険したい!キョウ、スルガ、メリー、こ、これからもよ、宜しくお願いします!」
答えが出た。
ガレオンは、そうか、とつぶやく。
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