0人が本棚に入れています
本棚に追加
朝テレビのスイッチを入れると、ニュースキャスターが「おはようございます。世界の終わりまであと7日になりました」と言う。
今日もよく晴れていた。
「世界があと7日で終わるっていうのに学校なんて行ってられないよ」
「予言なんて当たりっこないんだがら、いってらしゃい」
父と母は目に見えるものしか信じないたちで、おばけも宇宙人も、この予言も全く信じていなかったが、学校ではこの話題でもちきりだった。1ヶ月前から学校を休んで世界一周旅行しているリサのことをみんなうらやましく思っていた。
学校の帰り、電線にとまっていた鳩が一斉に飛び立ったかと思うと、グラグラっと揺れた。地震はそれほど大きくもなく、私は早足で家に向かった。
インターホンを鳴らす。
誰も出ない。
「めんどくさいな」カバンから鍵を出してドアを開けると、玄関には父と母の靴が並んでいた。
「いるなら開けてよ」
家の中はシンとしている。
「お母さんっ」
(おっかしいな、どこにもいない。買い物かな。ついでにアイス買ってきてもらおう)
携帯電話を鳴らすと、キッチンで鳴った。
母はきっちりした人で、携帯電話を忘れて出かけることはまずなかったし、私が帰宅する時間に出かける時には必ず手紙を置いていった。
(おかしい)
最初のコメントを投稿しよう!