貴方の悪夢引き受けます

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 「夢…」 「…はい」 夢… と聞き返した男はまるでぱっと見 葬式屋さんかカラス。 黒い頭、黒い目、服、靴、爪まで黒(のマニキュア)を塗ってる全身が黒色に包まれた青年がゆっくりもたれかかった黒椅子の上で優雅に足を組んだまま穏やかな口調で静かに聞き返すと青年の向かい、黒いデスクのすぐ向こうの黒い椅子に座っていた女はこくりと頷き返した。 女は短髪で身体もほっそりしており おとなしそうな見た目をしていた。 今は夕方。女は今からちょうど一時間程前にここへやって来た。今向かい合って喋ってる青年が自宅の一階で経営している怪しいと噂が絶えない事務所のドアを開いた後でこの事務所の設立者であり経営者である社長の青年に今までこんな事を話していた。 ・私はその人を知りません。でもその人は私の友人の恋人です。恋人は女の人です。友人は恋人に私の存在を伝えていません。何故なら友人は私の事を恥ずかしい人間だと思っているからです。私は裸になる仕事をしています。私自身は実家の牧場を今よりもっと大きくさせるための資金集めをするためにこの仕事をしています。この事は自分の家族はもちろん、働き先である会社の社長や他の一緒に働いているスタッフ、相手役をしてくれてる男優の方々や同じビデオに出演してくれてる女優の方々全員が知っています。なので、会社の皆さんからは一緒に頑張ろうと励まされながら、時にはこちらから励ましてあげたりしながらいつも皆で頑張って働いています。だから私は自分の今の職業を恥ずかしいものだと思った事は一度もありません。ですが、そういった特殊な職業を良いものと思っていない友人は違います。先程も言いましたが私が人間として恥ずかしく馬鹿げた事をしてると、頭がおかしいと思っているんです。友人は中学時代からの親友ですが、私がこの職業に就いてからは全く会わなくなりました。友人に恋人が出来た話しは風の噂で知りました。結婚を前提にお付き合いをしてると聞きました。友人は学生時代の写真を恋人と一緒に見たりしてる時、隣に並んでいる私の事は恋人には同じクラスだっただけの人として名前すら教えていません。私以外の学友とは食事をされたそうで、でもその食事会には私だけは誘われませんでした。何度も繰り返し言いますが友人の恋人は私の名前すら知りません。
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