貴方の悪夢引き受けます

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「おはようございます…」 無理くり笑顔を作って返してすぐに佐藤が肩に羽織ってるブランケットを見て「…え、マント?」と高橋は顔を顰めた。 「えっ、マント?あぁこれ?やだなぁ、マントじゃなくてブランケットですよ〜!ほら〜僕寒がりだから」 知らんがな。「そうですか。春でも朝はまだちょっと寒いですもんね」マントじゃなかった事にちょっとホッとして高橋は笑顔で頷いた。 ただでさえ服が黒なんだからせめて羽織る物くらい別な色にしてほしい、ブランケットならほらギンガムチェックとかさ…。 佐藤に気付かれないように小さくため息ついて高橋は「それじゃあ」とさっさとバス停に向かおうと歩き出した。 「待って、高橋さん」 なぜいつも一歩足を踏み出した瞬間に引き留められてしまうのだろうか?もう嫌がらせとしか思えない。 「何ですか?」高橋は振り向いた。 「今日オレンジのポケットティッシュを持っていた方が良いんですって」 「は?」 「星座占いで言ってました。高橋さん、獅子座でしょ?」 「…あの、何で私の誕生日知ってるんですか?そんな話しした事ないですよね?」 「僕は蟹座なんです」 こっちの話しを全く聞いていない。高橋は何だか気味が悪くなって背を向けると無視する事にして歩き出した。 「獅子座と蟹座って結構仲良しになれるんですって!」 ますます気持ち悪いと思った。「……。…あのっ!」キッと眉を吊り上げて高橋は振り向いた。
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