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「じゃあ可愛い系?」
「んなわけないでしょ…!どっちにも入んないよ!だってキモいもん!」
「だからそれはさ前も電話で言ったけど羅夢が佐藤さんの事嫌いだからそんな風にしか見えてないだけなんだって。…ほら、よく思い出してみなよ佐藤さんの顔!イケ顔寄りか可愛い顔寄りか ほらほらぁ どっちぃ?」
「どっちって言われても……どっちでもないんじゃない?」
そもそも佐藤は前髪が長いから高橋は佐藤の鼻から上はあんまりよく見た事ないのだ。
「じゃあスタイルは?がっちがっちの体育会系寄り?それともしなやかな感じ?」
「それも…どっちでもないかも…」高橋はジョウロを持った方の手の黒い長Tからほんの少しだけ見えた佐藤の真っ白でがりがりの骸骨みたいな痩せ細った手首を思い出して「ホラーマンみたい」と眞知子に言うと 食べかけの皿上に乗ったサラダの人参をぱくりと食べた。
「ん"〜……病的タイプか!良いねぇ、それはそれで別な色気があってそそられるわ!!美味い!」
「はぁ?美味いっ何?キモいだけだってば。ってか眞知子ってストライクゾーン広過ぎない?この前はプロレスラーの体型が好きとか言ってたしさ…」
「羅夢が狭過ぎなんだよ。やっぱさこう恋愛対象は幅広い目で見なくちゃ いざって時のチャンス逃しちゃうかもだし」
「いざって?」
「運命ってやつ」
「意味分かんな…」
「ま、私の場合その時の気分が楽になるなら結局誰でも良いって事なんだけどね。…って、うわー 文章にして言うと私めっちゃ遊び人みたいだわ。やだー、そんなんじゃないのに」
「違うの?」
「誰でも良くても その時その時でちゃんと好きじゃなきゃ駄目なの!終わった後 虚しくなんじゃん」
じゃあ ちゃんと好きになった たった一人の運命の人とだけずっと一緒に居れば良いのに…。 ぽやぽや〜んと頬を赤らめて楽しそうに話してる眞知子を横目に高橋は短くため息ついた。
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