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「そう言えば里香トイレ長くない?」
一緒に食事していた途中で居なくなった里香がさっぱり帰って来ないのが気になって高橋は食堂の入り口の方をちらっと見た。
「あー、里香の事だからまた男に捕まったんじゃない?」
眞知子ほどではないが里香は可愛いので昔から男子によくモテるのだ。
「気にする事ないって。そのうちまたいつも通り“ごめんごめんお待た〜!”ってにこにこしながら戻って来るだろうしさ」
「…それなら良いんだけど……」
高橋は何故かこの時理由も分からない妙な胸騒ぎがしていた。こういう時は小さい頃からよくあって、しかもそれが的中してしまう事がほとんどだから高橋はちょっと心配になった。本当に眞知子の言った通りなら良いのだが…。
……案の定高橋の予想は的中してしまったどころか里香はその日あれから二人の所に戻って来る事はなかった。
『具合でも悪くして先帰ったんじゃない?高校の時だって皆に黙って勝手に帰るって事よくしてたじゃん 里香って』と眞知子は言ってあまり里香の事を気にかけていなかったが高橋は何でかずっと頭の中からモヤモヤが消えないで悩んでいた。
昼飯後一応里香にメールはしておいたけどまだ既読になってない…。いっつも携帯見てるからすぐ返信来ると思ってたのにな……。
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